修二と彰 - 青春アミーゴのアナリーゼ ~ヒット曲に学ぶ華麗なる転調~
さぁ、今回もやってきましたよ!
今回は転調シリーズ第2段!
言わずと知れた、ヒット曲ですね。
スウェーデンの作曲チームと共同で作られたという、この曲にはどのような転調が繰り広げられているのでしょうか?
さっそくアナライズしていきましょう ♪
〈イントロ〉
〈Aメロ〉
[|: Gm│%│Cm│%│
〈Bメロ〉
│Cm│Gm│Cm│E♭│
〈サビ〉
[|:G#m│C#m │F#│B - F#│
│G#m│C#m│F#│D#7 :|]
│G#m│G#m△7│G#m7│F#│
│E│F#│B│D#7│
│G#m│%│
どうでしょう?
ごらんの通り、サビで半音上のキーに転調していますね。
かなりクールですよね!
J-popなどでラストの大サビだけ半音キーを上げて盛り上げる、という手法は頻繁に見受けられますが、この曲の場合イントロ~BメロまではGmキーで、サビで意表を突くようにG#mキーへ転調しています。
さらに、サビ終わり~イントロにかけて、またしても意表を突くようにGmキーに転調する(元のキーに戻る)という力ワザが炸裂しております(笑)
スウェーデンやノルウェーなど、北欧の音楽を聴くとこのようなハイセンスな楽曲が当たり前のように存在しているので度肝を抜かれますね…。
細かく見ていきましょう!
まずはBメロ~サビにかけての転調です。
~│Cm│Gm│Cm│E♭│
│G#m│C#m│F#│B - F#│~
この部分、特筆すべきは〈E♭〉のコードですね。
Gmキーから見た場合、E♭は[♭Ⅵ]となりサブ・ドミナントの機能を持っています。
それではG#mから見るとどうなるでしょうか?
D#は異名同音で、E♭でもあります。
さらに、D#=E♭は[Ⅴ]でドミナントの機能を持ちます!
もうお気づきですよね?
そうなんです!
この〈E♭〉はピボット・コードの役割を果たしているのです!
いわば、GmキーとG#mキーを滑らかに繋ぐ潤滑油ですね♪
ここでポイントとなるのは、E♭がトライアドであるという点です。
Gmキー → E♭△7[♭Ⅵ△7]
G#mキー → D#7=E♭7[Ⅴ7]
上記のように、7度の音まで入れてしまうと、ピボット・コードとして考える事が出来なくなってしまいます。
Gmキー、G#mキーのどちら側からも共通のコードであるためには、トライアドであることが必要条件なのです!
地味と言えば、地味かもしれませんが、このような細部まで気にかける事により、半音上のキーへの転調を違和感なくスムーズに聴かせる事に成功していたわけですね♪
これ、シンプルなようで相当計算されていてクールな技巧です!
コペルニクス的転回…
いや、コペルニクス的転調とでも言いましょうか(笑)
それでは続いて、サビ~イントロで元のキーに戻る場面ではどのようにして転調しているのか見てみましょう?
…はい、そうです。
完全なる力ワザです(笑)!!
いわゆる、突然転調ですね。
何の前触れもなく、また理論的な裏付けもなく…
ガチャッとスイッチングしたかのように半音下のキーに戻っています。
聴けば聴くほどヤバいです…(笑)
さすがスウェーデン。
北欧の風、感じますよね(笑)?
今回はコード譜は書かなかったのですが、間奏~ラストのサビにかけての全音上のキーに転調もヤバいので、是非チェックしてみてください♪
こちらも力ワザが炸裂しておりますよ(笑)
と、言うわけで今回は《修二と彰 - 青春アミーゴを》アナライズしてみました。
いかがでしたでしょうか?
北欧風の転調、クールですよね?
今回の楽曲のような、理論的な裏付けが無くとも力ワザで成立してしまうところが、転調が〈魔女の秘薬〉なんて言われたりする由縁なんですね~。
こんな調子で、ものぐさ楽曲分析はまだまだ転調シリーズを展開していけたらなと、思っております!
次回もまた楽しみにしていて下さいね♪
それでは!!